2013年2月20日水曜日

アンティーク・ガラス豆百科 -その1-

アンティックは美しいものであればジャンルにこだわらず何でも好きな私ですが、一番のシュシュはといえばガラスです。
数えてみたらアンティック姉妹社の商品全体のなんと約90%がガラス関連品でした。
こんなにも私がガラスに惹かれるのはいったい何故なのだろう?と思いを巡らすうちに、由水常雄氏(ガラス研究の第一人者)の本の中の一節によって目からウロコが落ちました
以下に氏の言葉の中で私が最も感動と共感を覚えた部分を引用します。

『私は、光そのものをそのまま固化したようなガラスの無色透明性、五彩の光を凝固したような色ガラス、キラキラと輝く光のゆらめきを結晶化したようなその輝きが好きだ。生きとしそ生けるものの宿命ともいえる光への欲求が、そこには何とみごとに象徴化されていることか。ガラスはその光の象徴を背負って作られた創作品である。器や物に作られなくても、素材そのものの中にさえ、光と美の象徴がある。人間が創りだした素材で、これほど美しいものがあろうか。ガラス工芸の歴史は、まさに芸術と科学の一体化の歴史といってもいい。』 
―由水常雄(よしみず・つねお)著【ガラス入門】平凡社カラー新書版より―

私のガラスへの想い入れはさておくとして、客観的に見ても、ガラスは西洋アンティックの世界に不可欠という以上にかなり大きなパートを占めているのではないでしょうか。
そこで、限りなく奥深いアンティック・ガラスの世界ではあるけれど、概論というか覚書またはショッピングガイド的な、限りなくアバウトでライト版の豆百科をシリーズで掲載してまいりたいと思います。(基本的に私自身が、買えないまでも少なくとも実物を見たことがある物に限ります。)


【ガラス or クリスタル】
クリスタルとは本来『水晶』のことですが、一般に水晶のように輝く透明で高品質のガラスを通称としてクリスタル、(正式にはクリスタルガラス)と呼びます。もともと比喩的または商業的な呼称ですが、厳密な国際基準は確立されていないまでも一応成分上の定義(後述します)があります。
特徴としては透明度と(光の)屈折率が高く、光沢があり、叩くと硬質で澄んだ音が響きます。
普通のガラスは俗にソーダガラスと呼ばれ、透明度や輝きはクリスタルに比較して劣り、音は鈍く響きがありません。
ガラスとクリスタルの見分け方ですが、無色透明なグラス類などの場合は、実際に両者を比べてみれば違いは自ずと分かります。しかし比べる物がなく単独であったり、色付きであったり、後加工で装飾されていたり、汚れがひどかったり、塊であったりしますと、判別は難しくなります。
私の場合、見た目で分かり難い時は音を聴きます。

さて、下の画像をご覧ください。ほぼ同じ場所、同じ条件で撮った写真です。左右どちらがガラスでどちらがクリスタルかお分かりですか?(ちょっと簡単過ぎましたね。)答えは次回のお楽しみ、ということで今日はこの辺で。




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