2013年2月22日金曜日

アンティーク・ガラス豆百科 -その2-

ここ2日ばかり、実に久しぶりの太陽サンサンの日が続き、『もうすぐ春…』というリフレインが頭の中でリピートしていたのですが、今朝は-2℃。夕方の今、少し曇ってきました。庭にはクロッカスがあちらこちらに咲き始め、沈丁花も香り始めたけれど、春はまだもう少し先みたいです。

さて、ガラスのお話の続き、まいりましょう。あ、その前に前回をご覧下さった方、宿題の答えを発表します。左がガラスの型もので、右がバカラのカットものでした。一目瞭然でございましょう?どちらも無色透明なのですが、バカラは弱い光にも虹彩を放ちますね。

【成分によるクリスタルの種類と特徴】
一般にクリスタルと総称されていますが、成分の物質やその割合によってクリスタルガラスには何種類かの質の違うものがあります。
大別すると、酸化鉛を多く含むクリスタルと酸化鉛を含まないクリスタルの2種に分かれます。

酸化鉛を含むクリスタルは『鉛クリスタル』と俗称され、現代ではこちらが主流です。17世紀にイギリスで発明されて以来発展を遂げて、18~19世紀にはそれまでヨーロッパを席巻していたボヘミアン・グラス(カリクリスタル)を凌駕し、20世紀以降クリスタルといえば普通鉛クリスタルを指すほど世界的に普及しました。今ではボヘミアン・クリスタルも殆どが鉛クリスタルになっています。
鉛の含有量が多いほど透明度と光の屈折率が高く、鉛の比重が大きいほど打音が澄んで余韻が長くなります。重さがあり、見た目はシャープですが、意外にも生地は軟らかく、カットなどの加工がしやすいのだそうです。
食器などは酸化鉛がガラス全体の24%以上のものをクリスタルまたはレッド(鉛lead)クリスタル、10%以上24%未満のものをセミクリスタル30%以上を高鉛クリスタルまたはフルレッドクリスタルと呼ぶのが一般的な定義のようです。
因みにフルレッドクリスタルの代表的なメーカーとしてはバカラ(鉛30%)、スワロフスキー(鉛32%)、サン・ルイ、ウォーターフォードなどが挙げられます。

バカラ JUVISY            バカラ PRESTIGE

サン・ルイ リキュールセット       サン・ルイ 酒器セット

スワロフスキーのアクセサリー(現代物)

フルレッドクリスタルの輝きをご覧いただけましたでしょうか。
何といってもバカラ、特にアンティックのバカラは私にとってはクリスタルの王様です。
バカラがお好きな方はこちらから姉妹社コレクションも是非ご参照ください。
鉛を含まないクリスタルについては、また次回お話したいと思います。

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