2014年2月22日土曜日

小さな春、見ぃつけた… 近況など

2月13日から突然、飛蚊症に罹りました。
最初、眼球の表面に何か異物がくっ付いたのだと思って、洗浄液やら目薬やら注してみたのですが、黒っぽい細い輪のようなものは全然無くならず、視線の動きと一緒に動くし、拡大鏡で見ても何も入ってはいないし、これはアレかな?と検索したところ、やっぱりそうでした。近眼、加齢、どちらも該当します。鬱陶しくて、つい目をこすってしまいます。
初めのうち、ムカついたり頭が痛くなったりしましたが、もう随分慣れました。

浅田真央ちゃんには泣かされました。
ショートプログラムの時はかわいそうなのと、無念なのとで泣き、翌日のフリーでは素晴らしい演技と健気さに感極まって泣きました。もう選手としてではなく、アーティストとして輝いて欲しいと思います。

パリはちっとも寒くならず、このまま春になりそうな気配です。
庭のクロッカスが咲き、沈丁花も咲き始めたと思ったら、水仙も咲き出しました。
花を活けた花瓶の写真をお客様のために撮ったついでに、色々な花瓶に花を活けてみました。





2014年2月17日月曜日

アンティーク・ガラス用語豆辞典 《タ行》

日本はあちらこちらで大雪だとか…。
大変な目に遭っている人々には申し訳ないので大きな声では言えませんが、正直なところちょっと羨ましいです。
ソチ五輪、こちらは時差-3時間なのでちょうど良い時にTVで観られます。
フィギュアスケートの羽生結弦選手(フランスの記者はユジュリュ・アニューと発音)やジャンプの葛西選手の勇姿もしっかりライヴで観て、手に汗を握り、胸を熱くしました。
フランス生活の方が長い私ですが、やっぱり日本人。絶対的に日本の選手を応援してしまいます。
浅田真央選手もがんばって欲しい!今からドキドキしてます。


ダイヤモンド・ポイント彫り diamond-point engraving
先にダイヤモンドの細片を取り付けたペンシル状の道具を用い、点刻、線刻で模様を彫るガラスの彫刻技法。16世紀のヴェネツィアン・グラスでレース模様を彫るのに使われた技法で、後にオランダ、イギリスなどに伝わり、絵画的で繊細な加飾法として発達した。

チップ chip
ガラス器の縁などにできた小さな浅いカケ。和骨董の陶器類でいうホツにあたる。   

宙吹き(ちゅうぶき)
溶けたガラス種を吹き竿の先に巻き取り、空中で息を吹き込み風船のようにガラスを膨らます成形技法。型を使わずに竿を回しながら吹き加減で基本的な器のボディーを作る。紀元前1世紀後半ローマン・ガラス時代に発明された技法で、これにより一挙にガラス器が普及したといわれる。現代でもハンドメイドのガラス器制作に広く用いられている技法である。


チューリップ tulipe
電球を包むような形で口が開いているガラス製のランプシェードを指すフランス語。花のチューリップのような形状による呼称。因みに笠型シェードや、口が開いていない球形や紡錘形のシェードは別の呼び方がある。

ツイストステム twist stem
無色透明なグラスの脚(stem)に空気や不透明ガラスの捻り(twist)模様を封入した加飾法。18世紀のイギリスのグラスに多く見られる。

トンボ玉(ビーズ)
穴の開いたガラス玉のことで、古代エジプトやメソポタミアでネックレスなどの装身具の材料として作られていた。トンボの目のような模様を付けたものが多いため日本ではトンボ玉と呼ばれるようだが、欧米ではアイ・ビーズ(eye beads)と呼ばれる。


2014年2月12日水曜日

レトロ広告マニア必見のPUB『オ・タンブル・ポスト』

先週末、久々にヴァンヴの蚤の市に行きました。
風が強く時折雨がパラつく悪天候のせいか、出店者も少なく、私達も天気がひどくならないうちにサッと見てしまおうと早足で回ったら、2点買物をしても1時間ぐらいで終ってしまいました。
駐車した場所の近くにあるカフェ・レストラン"Au Timbre Poste"で、差し迫った用を足してから帰ろうと、立ち寄りました。
ここは朝早くからやっているし、眼を楽しませてくれるので、ヴァンヴの後によく寄る店です。
しばらく来ていなかったうちに、店内は益々キッチュ度をアップしていて凄いことになっていました。
カメラを持っていなかったのでスマホで撮影してきました。ご覧下さい。







凄いでしょ?食事をする気にはならないけれど、見るのは楽しい店です。
よかったらお店のHPもご覧下さい。下の画像をクリックするとリンクします。


2014年2月8日土曜日

アンティーク・ガラス用語豆辞典 《サ行》

いよいよソチ冬季オリンピック開幕ですね。今パリ時間16:30ですが、もう30分もしたらオープニング・セレモニーが始まるらしいので、久々にテレビを観ます。
2月に入ってもパリは依然として寒くなりません。このまま春になりそうな気配で、何かやることを忘れているようなスッキリしない気分なので、せめてソチの映像を見て冬を感じたいと思います。


サティネ satiné(フロスト加工)
本来サテン(絹織物)のように滑らかで光沢のあるという意味のフランス語の形容詞だが、サティネされたガラスとは、酸やサンドブラストなどで表面をマット状に加工した半透明なガラスを指す。曇りガラス、磨りガラスともいう。英語では霜に覆われたような(frosted)という表現を用いるところからフロスト加工ともいわれる。ジヴレ(後述)よりも滑らか。

サリシュール salissures
不純物、汚れという意味のフランス語だが、溶けたガラス素地に金属酸化物の粉末を混入し、天然石のような色の斑文を作り出すガラスの着色法。パリ派のウジェーヌ・ルソーやナンシー派のガレなどアール・ヌーヴォーの作家が主に東洋趣味な作品に用いた技法。

酸化腐食彫り →acide

サンドブラスト sandblast
金剛砂などを圧縮空気でガラスの表面に吹き付けて削る加飾方。一種のグラヴュール。削らない部分を保護膜で覆い、模様を彫刻する。砂の当て方によって彫りの深さを自在に調節してニュアンスを付けたり、立体的な作品を作ることもできる最もシンプルなガラス彫刻技法。元々船舶の錆落とし用に開発された技法で、1920年代以降ガラス工芸に応用されるようになった。

ジヴレ givré
霧氷に覆われたという意味のフランス語で、ガラス用語としては酸による腐食(アシッド、エッチング)やサンドブラストを用いてガラスの表面を荒らし、凍りついたような梨地や霧氷模様にすることを指す。広い意味でフロスト加工ともいうが、サティネ(前述)よりも凹凸が大きくザラッとした仕上げをいう。初期(19世紀末)及びアール・デコ期のドームの作品に多用された。


シール・ペルデュ cire perdue(ロスト・ワックス鋳造)
シールは蝋、ペルデュは失われたという意味のフランス語で、英語のlost-wax に当たる。蝋型鋳造ともいわれ、もともとブロンズなどの鋳造技法であったが、これを応用したガラスの技法。蝋で作った原型を耐火石膏などで覆い、固まった後に加熱して蝋を溶かして除去し、できた空洞(鋳型)に溶けたガラスを流し入れ(またはガラスの砕片や粉末を充填して焼成し)徐冷した後、石膏型を解体してガラスを取り出す。粘土などで作った原型から雌型を取って蝋型を作った場合には、何度か繰り返し同じ型の作品を作ることができるが、多くの場合、1点から数点の少数制作に使われる技法。ルネ・ラリックやパット・ド・ヴェール作家のデコルシュモンの作品が有名。

ステムウェア stemware
脚付きのドリンキング・グラスの総称。stemは茎や軸を意味する英語だが、脚付きグラスの脚の部分をステムと呼ぶ。因みに脚の無いグラスは一般にタンブラーと総称される。

ステンドグラス stained glass
字型の断面を持つ鉛の枠で、色ガラスの小片を繋ぎ合わせてパッチワークのように絵や模様を表現したガラスのパネル。中世ヨーロッパの教会の窓に使われたのが始まりで、フランスで発展した。12世紀の代表的なゴティック建築の一つであるシャルトル大聖堂のステンドグラスは特に有名。19世紀末のアール・ヌーヴォー期には個人の邸宅、銀行、デパートなどの建物や、ランプシェードなどにも大いに使われた。因みにステンド・グラスとは本来着色されたガラスという意味の英語で、フランス語ではvitrailヴィトライユという。

スフレ soufflé
スフレとは吹いた(空気を吹き込んだ)という意味のフランス語で、吹きガラス全般を指す言葉でもあるが、アール・ヌーヴォー、アール・デコのガラスの場合、特殊な技法を意味する。例えば、ガレの第三期工房時代の作品に見られる果実や花や動物が著しく立体的にレリーフ状に吹き出された型吹きの花瓶や、マジョレルの鍛鉄の枠に吹き込んで枠の外にガラスをはみ出させた一連のドーム/マジョレルの器などを特にスフレ作品と呼んでいる。