2014年6月24日火曜日

BACCARAT 250 ANS(年) 展

バカラは今年で250歳になりました。
Café 姉妹社のお客様でバカラをご存知ない方はいらっしゃらないと思いますので、今更くどくどしく注釈はいたしません。
創業250周年記念行事の一環として、パリ16区にあるメゾン・バカラ内のミュージアムで特別展が開かれており、日頃バカラにお世話になっているAntique 姉妹社店主としては表敬訪問しない訳にはいかないと思い、行って参りました。
10年前にも一度行ったことがあるのですが、カメラを携えているとまた全然違って見えるから不思議です。
マリー・ロール・ド・ノアイユ子爵夫人の邸宅だった立派な館は殆どシャトーです。そこに超売れっ子デザイナーのフィリップ・スタルクが彼独特のコンテンポラリーな演出を加えた面白い内装がほどこされており、250年の伝統と現代性を共存させたバカラそのものを象徴しているかのようです。
特別展そのものは正直なところちょっとガッカリでした。250年記念というから大展覧会なのかと期待したのですが、普段の展示とほぼ同じ規模で、あっと言う間に見終えてしまいました。
展示会場内は撮影禁止だったので、バカラのサイトに掲載された画像と、テレビ局が取材した動画(一番下)をご覧ください。

このバナーを見ると凄そうでしょ?(バカラのサイトより)

さすがバカラ、勿論美しいです。(バカラのサイトより)

館全体がバカラ、バカラしている。右側の巨大(座面の高さが人の背丈ほどある)な椅子はフィリップ・スタルクの作品。

ブティックというかショウルーム。やはりフィリップ・スタルクデザインの長さ13.5mもあるガラスとクリスタルのテーブルに並べられたテーブル・ウェアの群れ。

1855年製作の157燈の大シャンデリア。階段の吹き抜けに吊られ、ゆっくり回転している。

階上の大広間。ここで貴族の舞踏会などが夜な夜な開かれたのでしょうね。

レストラン『クリスタル・ルーム』。2★レストラン『グラン・ヴェフール』のシェフ、ギー・マルタンが監修。
お蕎麦も良かったけど、ここで食べるという手もあったか…と、またも食い意地を張ったりして。

*縦長写真にすると、何故かプレヴューの画像サイズが小さくなります。クリックして拡大写真を是非ご覧くださいね。








2014年6月22日日曜日

高橋名人の蕎麦をパリでいただく

そば打ち名人、高橋邦弘氏の蕎麦をパリでいただくチャンス到来とあって、すぐにYEN(パリ唯一の蕎麦屋さん)に予約を入れ、カレンダーに印を付けて先月から楽しみにしておりました。
YENの店長兼そば打ち人の桜井氏は、山梨『翁』時代の高橋名人に弟子入りし、特訓を受けてYENを開店した人で、彼は高橋氏を師匠と崇め、教えを忠実に守って私達に美味しい蕎麦を食べさせてくれる有り難い人です。
彼の蕎麦も既に十分美味しいのに、その師匠であり日本一と言われる名人の打つ蕎麦とはいかに?と、期待に胸を弾ませながら赴きました。
お店に入ったらすぐ間近に名人その人がひっそりと椅子にかけて休んでおられ、私はつい、初対面にもかかわらず無作法に「あ、名人!」と声をかけてしまいました。名人は一瞬戸惑った様子だったけれど椅子からちょっと立たれて会釈を返してくれました。

前菜の写真は撮ったのに、肝心のお蕎麦が出てきたら賞味するのに集中してしまい、食べ終わってから写真を撮り忘れたことに気付きました。
蕎麦粉は勿論つゆも日本から持参されたとのことで、桜井氏には悪いけれど、やはりいつものYENの蕎麦とは似て非なる蕎麦を堪能したのでした。
日本ではなかなか食べられない幻の蕎麦を、パリでいとも簡単に、名人に気安く声をかけたりしながらいただいたなんて、一生の思い出(ちょっと大げさ?)になる午後でした。

名人のお店では盛り蕎麦一点張りでお料理は一切出ないらしいけれど、この日は特別メニューでちょっとしたミニ蕎麦懐石だった。ここでもロゼを一本空けてしまった。お蕎麦に失礼だったかも…。

食事を終えて階下に降りたら、ちょうど名人が蕎麦打ちの最中だった。

やはり凄い名人芸!所作に無駄が無くあざやかな手捌きに見惚れる。

2014年6月20日金曜日

懐かしのMouffetardムフタール

エ~ッ、もう金曜日?月日の経つのがドンドン速くなっていきます。
ついこないだ、と思っていたら何と2週間も前の話なのですが、何年ぶりかで私の第三の故郷ともいえるパリ5区のムフタール界隈を訪れました。
パリでは季節が良くなると、ほとんどのウィークエンドに何処かで路上骨董市(といってもbrocanteですが)が開かれますが、大体同じ業者が毎回同じような物を出品しているので最近は極たまにしか行きません。
この日はとても天気が良かったし、パリに用事と食事に出かけた帰りにムフタールの市に寄ってみたのです。
街並みも雰囲気も私が住んでいた頃(30年前ぐらい)と一見殆ど変わっていないようなのですが、行きつけだったカフェや商店も当然ながら代替わり面変わりしていて、当時を知る人は誰もいないようだし、何処も彼処もよく知った場所でありながら、見知らぬ所に来たような、夢の中のような不思議な感じがしました。
昔飼っていた(というか勝手に住みついた)猫のトラちゃんの恋猫(片想いだったけど)がいた骨董屋さんがまだ在った!と思って入ったら、主が代わっていました。
現在の店主は優しい人で値段も安かったので、2点購入しました。
露天市はやはり大したこと無かったのですが、それでもしつっこく見て数点みつけて買いました。

やっぱりムフタール懐かしかった…。向かう途中の車中で些細なことで大喧嘩していた私達でしたが、古巣を散策するうちにいつの間にか仲直りしていました。

一見変わらぬムフタールの古い街並み。右側のカフェにはアレックスという大きな馬鹿犬がいたっけ…。バロック音楽のコンサートを聴きに来たり、同じアパートの上階に住んでいたお婆さんのお葬式でも来たことのあるSaint-Médardサン・メダール教会。

パリでも最古(1世紀ローマ時代)の道の一つと言われるムフタール通り。

アパートから1分の最も頻繁に通ったカフェ。ここで日光浴をしながら朝食をしたり、中でフリッパー(ピン・ボール)で遊んだりした。ムフタール通りから小路越しに突き当たりに見える昔住んだアパート。低い白い建物の左側の2階と3階の窓が私達の部屋の窓。懐かしい!

2014年6月13日金曜日

イエールのギュスターヴ・カイユボット展

Gustave CAILLEBOTTE (ギュスターヴ・カイユボット1848-1894)という印象派の画家をご存知ですか?
日本ではあまり有名ではないと思います。実は私も今住んでいる家に引っ越して来るまでは知りませんでした。
ここに移り住み始めた頃、まるで田舎のような環境が珍しく、旅行に来た気分で近隣の町や森や庭園をしばしばドライブがてら訪ねたものでしたが、そんな折に旧カイユボット別荘の庭園に行き当たり、この画家の存在を知ったのです。
パリの南東18kmほどの所にあるYERRES (イエール)という閑静な古い町の、町の名と同じ名のイエール川畔に11ヘクタールもの広い土地に英国風庭園、菜園、農家、館、スイス風山荘、オランジュリーなどが点在する素晴らしい私有地(今は市の所有)をパリの裕福な実業家であったカイユボットの父が1860年(ギュスターヴ12歳)に別荘として買い、家族は1879年まで毎夏をここで過ごしたのだそうです。
庭園も建物もほぼ当時のまま保存され、カイユボット記念公園といった感じで公開されており、メインの館は市の文化部か何かが使い、山荘はレストラン、オランジュリーでは個展などの為のギャラリー、農家はブティックや展覧会など多目的スペース、菜園は園芸愛好家協会によって菜園として、といった具合に活用されています。
画家としてのカイユボットはフランスでは人気があり、2011年にも写真家であった弟の作品といっしょの展覧会がパリのジャックマール・アンドレ美術館で大々的に開かれました。
私達も観に行きましたが、かなり並びました。特別な芸術性があるとも思えない作品ですが、古き良き時代のパリのブルジョアジーへの憧れやノスタルジーが刺激され彼の絵に惹かれるのだと思います。
今回は初めてイエールで開かれるカイユボット展で、彼がこの地で描いたとされる作品を中心に43点が集められ、展覧会の名称も『CAILLEBOTTE à YERRES』イエールでのカイユボットと題されています。
雑誌でこの情報を見て、カイユボットと聞くとご近所の有名人みたいに感じてしまう私は、これは是非行かなくては!そして久々にあそこのレストランで昼食を…と目論んでいたのです。結局、予定を変更して先にCROSNEのレストラン(前回のブログで紹介した店)で食べてから向かったのですが、正解でした。CHALET(山荘のレストラン)は展覧会のおかげ(多分)で満員御礼の立て札が出ておりました。

カイユボットについて詳しくはこちらをご参照ください。

 イエールの庭 1875年 / 雨のイエール川 1875年

イエールの庭  2014年5月30日 左奥に見えるのがオランジュリー。上の絵とは逆方向から撮影。
Casin(カジノ、または小さな家の意味)と名付けられた別荘本館 上の絵の奥に描かれた建物。

釣り 1878年 / 泳ぐ人々 イエール川辺で1878年 / カヌー(遊び) 1878年

イエールの庭1876年 茶色の建物はChalet Suisse(スイス山荘)呼ばれた別館
菜園 1875-78年 現在も菜園として使われている。

現在のChalet Suisse。改装されてChalet du Parcというレストランになっている。一時期私達のお気に入りだった店。
この日は展覧会の後お茶をしようと一旦座ったが、あまり待たせるので今度にするわ、と言って帰ってきた。

ピアノ・レッスン 1881年 / ビリヤード 1875年 未完成

ボート遊び 又はシルクハットの漕ぎ手 1877-1878 / イエール川のカヌー (遊び)1877年


2014年6月7日土曜日

近所の美味しいレストラン『ラ・メゾン・デュ・プレッソワール』

毎年ROLAND GARROS(テニス全仏オープン)が始まると雨がよく降って試合が中断されたり、かと思うと真夏のように暑くなったりしますが、きょうはもう男子の準決勝です。
朝から素晴らしい天気で、今ナダルとマレーの闘いの真っ最中ですがコートはおそらく30℃を超える暑さでしょう。
私もCaféを早くお仕舞いにしてテレビを観なくては…、ちょっと焦っております。

先日、前から行かなくてはと気にしていた近所のレストランLa Maison du Pressoir(直訳すると絞り機の家)にやっと行き、昼食をしました。
隣町のCROSNE(クローヌ)に昔からあったオーベルジュで、長女(チャウチャウ)が生きていた頃には車で散歩(長女は車好きだったので)の帰りに時々テラスでお茶をしたカフェでした。
長女が他界してからはトンとご無沙汰していたのですが、去年のミシュランにいきなりレストランとして掲載されたのです。

新しいオーナー・シェフは若い人らしく、今風に改装された店内と裏庭のテラスはシンプルながらこの界隈らしからぬ洗練されたdecorでなかなか良い感じです。
お料理も、安いメニューなのに良く工夫されており、フレッシュで軽くて美味しかったです。
また一軒、近所のお食事処の選択肢が増えて嬉しい!これだから痩せられないのですよ~。

ナダルvsマレー戦、あっと言う間に終っちゃいました。

 昔は家の前に古い馬車が置いてあり、テラスでお茶が飲めた。綺麗な色に塗り替えられた外装。右側の扉が入口。

暖炉のあるメインのダイニング・ルーム。

薄曇で雨も降りそうな天気だったけれど、お昼なので裏庭のテラス席を選んだ。意外と広くていい感じ。

横長のお皿を使っているので写真のレイアウトに苦労した。
夫の前菜は、極薄のパイ皮に載ったスモーク鰊のサラダ(上)。
私はサーモンの厚切りマリネ、キヌアのタブレ風添え(サラダの下に隠れている)。
マンゴーのヴィネグレットソースが美味だったけれど、鮭が皮付きだったのはNG。

メインは二人とも鯛のポワレ、グリーン・リゾット付き。美味しかった。ワインはラングドックのGRIS BLANCのロゼ。
最近この超安ワインがマイ・ブーム。セックなのにフルーティでフレッシュ。
グレーっぽいピンク色が綺麗でラベルのデザインもスマート。夏向きで、魚貝にピッタリ。

夫のデザート(上)は、濃厚なガナッシュ・ショコラ、パイナップルのパイ添え。
私は本日のデザート。苺とメレンゲと…何だったっけ?
コーヒーに付いてきた塩バタークッキーも美味しかった。


2014年6月4日水曜日

TRUFFAUT(お店)の動物園

Antique 姉妹社の新着品UPやら何やらに忙殺されて(やることがslowなので)、またCaféを休んでしまいました。
ネタは溜まっていて、取れ取れのフレッシュなうちにお出しできなかったのは残念ですが、まだなんとか賞味期限内なので順番に簡単にご紹介いたします。ライブ感が無くて恐縮ですが、オンデマンドでご覧ください。

先日、フランス各地にチェーン展開しているTRUFFAUT(トゥリュフォー)という大型園芸店に夏用のバルコニーのお花を買いに行きました。日本では見たことが無いぐらいの巨大な店で、ガーデニングとアウトドア用品のデパートとでもいいましょうか。私達もここのポイントカードを持っており、年に数回は買物に行きます。
結局、お花は今年も定番のジェラニウムに落ち着き、お隣からのリクエストに応えて畑用のトマトの苗を数種、バジル、シブレットの苗、カルミアという蕾が金平糖のような愛らしい花の鉢などを買って帰りました。
この店に行く楽しみのひとつは、色々な動物に会えることです。ありとあらゆる美しい花や珍しい木が溢れているのに、気が付くと植物の写真は全然撮らずに動物の写真ばかり撮ってました。
特に珍しくもない動物さん達ですが、せっかく取材に応じてくれた可愛い子達をご覧下さい。

アヒルの雛ちゃん達。固まっているのは年少組の皆さん。隣のクラスの年長さんは
好奇心旺盛で、近寄って来て金網から差し込んだ夫の指をパクパク噛んだ。

サモエド犬とゴールデンリトリバー犬の仔犬達。たまらなく可愛い!

美しい色の大きなインコ(でしょ?)。外の囲いの中にいた寂しそうな山羊さん。
前には沢山いたけれど2匹だけになっていた。売れるのかなぁ?

5匹で3,95ユーロの小さな熱帯魚達。1匹ずつ独房(?)に入れられた美しい闘魚。
模様がちょっとうるさいフグ(トラフグ?)。とぼけた顔していて見飽きない。