2014年8月30日土曜日

Bitcheの料理旅館『ル・ストラスブール』再び

今回のアルザス・ロレーヌへの小旅行は、実は三つの目的がありました。
一つめは既にご存知のラリック美術館でした。
二つめは、4年前に一度行ってお気に入りにエントリーしたBitche(ビッチュ)の安くて美味しい料理旅館
"Le Strasbourg"を再訪することだったのです。2012年8月のブログをご参照ください。
前回泊まったスイートルームを2泊連続で取れる日で8月26日以前と指定したら、選択肢が全然無く、必然的に日取りが決まったのでした。
着いてみたらお部屋はやはり良かったものの、窓の外が工事中で小さなバルコニーへの扉はブロックされており、前には庭を通って裏の公園に直接行けたのが工事中で行けなくなっていて、ちょっとガッカリしました。
お料理は、4年前と殆ど同じ値段で相変わらず安かったのですが、味が少し落ちていたのとオリジナリティが停滞気味だったのが残念でした。
どうしちゃったのかな?オーナーシェフだけに、改装工事などに気を取られていてお料理に集中できないのかしら?
ま、でも子供達は大喜びだったし、シェフや奥さんは私達を覚えてくれていて、皆も感じは良かったし、気分は悪くなかったです。
天気は最悪でしたが、わずかな晴れ間に、前回も散歩した近くの森に囲まれた池にも行き、子供達は大はしゃぎでした。

 やっぱり寂れたままだった町並み。ホテルの真向かいの教会。相変わらず古ぼけたホテルのファサード。

 部屋から見える工事中の裏庭と砦の公園。目を凝らすと斜面に羊がたくさん張り付いて草を食べていた。

 レストランの内装は以前と変わっていなかった。二晩ともほぼ満席。相変わらず繁盛している。

 夏のメニュー(54ユーロ)の前菜。最初の前菜はトマトのガスパチョ。
次は鵞鳥のフォア・グラ、クルジェットとトリュフ入りヴィネグレット添え。

 チョウザメのロティ、茸とオリーブ添え。 これは何だったか思い出せない…。

 ラパン(兎)のファルシ、アルティショ、赤ピーマン、ナスの種添え。
デザートはフランボワーズのタルトレット。カシスの葉のアイスクリーム添え。
食前酒は夫はスコッチ、私はシャンパン。ワインはアルザスのピノ・ノワールにしました。

 メニューは一つだけなので、二日目の夜はア・ラ・カルトに。
前菜は二人とも小イカのポワレとトマトのヴァリエーション。鰯のリエットとバルサミックソースのポチポチ。右は箸休め。

私のメインはカエル料理3種。ポタージュ、フライ、グリエ。 夫は本日の魚(平目)。
この日は或る所で豪華なランチをしたので、ディナーはここまでがやっとだった。謝ってデザートもパスした。

美味しいのですが、味が濃く、しょっぱかった。相変わらす一生懸命作ってはいるのだけれど…。それと、食前酒の時のアミューズがお粗末でした。アミューズって大事ですよね。私などこれが楽しみなんですから。
シェフはまだ若いですから、お店が落ち着いたら、また変わることでしょう。見捨てはしませんよ。

2014年8月28日木曜日

ラリック美術館@アルザス探訪記 その5

素 晴 ら し き ラ リ ッ ク の 世界, よ う や く 最終 回 で す.
前回のところまでで、ちょうどカメラの電池切れとなり、後はスマホで撮ったため画質が更にグレードダウンしております。
せ め て 雰 囲 気 だ け で も 伝 わ れ ば 良 い の で す が ....
幸 い 大体 メ イ ン 的 な と こ ろ は 見 終 わ っ て, 残 る は 特別 企 画展 Le Monde Aquatique de Lalique 「ラ リ ッ ク の 水 の 世界」だけでした。これはラリックの特徴のひとつである『水』に関連した作品(かなりこじ付け気味なものもありましたが)をピックアップして展示したもので、季節感もあり、なかなか良い企画でした。

 本館 を 後 に す る 前 に 展示 室 の 全体 の 雰 囲 気 を 一 応 撮 っ た な か の 1 枚

中庭も1枚。花壇は真上から見ると胡蝶蘭を模ったデザインになっているらしい。









ラリックワールドを堪能し、霧雨に煙る森の中を一路Bitcheのホテルへ向かう車窓から。

特別 展 の 模 様 を 美術館 が 撮 っ た YouTube 動画 を ご 参照 く だ さ い.

2014年8月27日水曜日

ラリック美術館@アルザス探訪記 その4

相変わらず寒い日が続いております。時々雨も降ります。
インディアン・サマーを期待しているのですが、今年はそれも無くこのまま秋になりそうな気配です。寂しい…。

さて、ラリックの宝物まだ続きます。きょうは装飾工芸品(ミュゼ・ラリックでは聖品、ガラスの詩人、近代性とコーナーが分類されていた)をご紹介します。

Christキリスト 1930  
Panneau Lys百合のパネル1932   ジャージー島の聖マタイ教会のための装飾パネルとして障壁等に用いられた。

天井照明 Passiflore1924 Hirondelles1921 Rinceaux1926

 ランプPavots1910 燭台Pavot1922 パネルPavot1912 COTYニューヨーク店の壁面装飾 
花瓶Myosotis1937 ネックレスMuguet1922 花瓶Muguet1939 

センターピースOiseau de Feu1922 花器Six Hirondelles1920 手鏡Hirondelles1913 ランプPaons1910

花瓶Ronde d'Enfants et Voiles1930(5点のみ制作されたシール・ペルデュ作品 )
パネルLe Verrier1925 国際アール・デコ博の工芸館の扉の装飾パネルとして制作

ランプBague Serpents1912 花瓶Serpent1924 花瓶Gros Scarabées1923 
蓋物Quatre Scarabées1911 花瓶Deux Anneaux Scarabées1919

花瓶 Nanking1925 Oranges1926 Grenade1930
(4番目不詳) Lagamar1926 Koudour1926 Tourbillons1926 

ルネ・ラリックの代表的な花瓶2点

パネルAthlètes1912 箱Figurines1914 蓋物(角)Faune et Figures1910 
蓋物(丸)Louveciennes1910 花瓶Bacchantes1927

ラジエーター・キャップ(カー・マスコット)各種

フォンテーヌ(噴水)Poissons1937
1937年にパリで開催された国際現代工芸・技術博覧会のガラス・セラミック館に設置された。
1991年パリ装飾美術館での展覧会の際に事故により損壊。展示作品はクリスタルによる複製。


2014年8月25日月曜日

ラリック美術館@アルザス探訪記 その3

ラリック・ワールドまだまだ続きます。

パリ近郊のガラス工場が手狭になったため、ルネ・ラリックは1922年にこの地Wingen-sur-Moderに第二工場(当時はLa Verrerie d'Alsace アルザスガラス工場と呼んだ)を開きました。
戦争で中断したものの戦後また再開し、以来窯の火は絶えることなく、今もこの工場からラリックのガラス製品が生み出され続けています。
アルザス工場が稼動し始めた初期には、主にテーブルウェアがここで生産されたそうです。因みにラリック作品にVDAのモノグラムのサインが見られるものがありますが、これはVERRERIE D’ALSACEを表し、1923年頃まで使われました。

テーブルウェアはAntique 姉妹社にとって最も関わりの多いラリック作品(といっても高いので、扱いは微々たるものですが)であり、私自身テーブルウェア好きでもあるので、つい写真をたくさんピックアップしてしまいました。

Schlumbergerグラスとキャラフ1924-1925(左2点) Sainte-Odile シリーズ1921-1927

Sainte-Odile立像1929 Sainte-Odileキャラフ1927 グラス1921 灰皿1922  ボトル1922 

Wingen1926  ご当地 ヴィンゲンと名付けられたモデルでコーナーの代表作扱いされている。

Marienthal皿1927 Chinonグラス1930   Nippon皿1931 グラス1930

Caravelle 巨大(幅約70cm高さ約60cm)なセンターピース1938  英国王ジョージ6世と王妃エリザベスのパリ公式訪問の際にパリ市からの贈物として受注制作された。帆船はパリの紋章のモティーフ。

Thann グラス1924(左手前)
Mouettes(かもめ)皿・グラス1938 上記センターピースとセットでパリ市からの受注により制作

Chasse, Chiens 皿1914 グラス1921

Tournon1928  Vernon1928  Perruches1931

Sirène1920     Volubilis1921

花瓶は詳細不詳 耳つきクップ Fougères 1921

耳付きクップ Mures 1921

グラス Epis de blé1905 Quatre grenouilles1912 Vigne1912 
キャラフ Marguerites1920 Satyre1923

Sirènes et grenouilles1911 Deux danseuses1912  Masques1913 Six têtes1914

Strasbourg1926


2014年8月22日金曜日

ラリック美術館@アルザス探訪記 その2

ルネ・ラリックの目眩く美の世界、次の宝石箱の蓋を開けると、そこには宝飾家ラリックがガラス工芸家に変身するきっかけとなった香水壜やパウダーボックスがたくさん詰まっていました。
ラリックは香水壜を数多く手がけ、彼のガラス作品全体の中でも重要なジャンルとなっております。
アール・ヌーヴォーの残り香の濃いものから、現代的でさえある斬新なアール・デコまで、そのデザインの多種多様なこと驚くばかりです。コレクターも多く、ラリックの香水壜だけの本も出ています。
今でも香水は高価ですが、当時はまるで液化した宝石であるかのように珍重されたのでしょう。香水王フランソワ・コティが高級宝飾家ルネ・ラリックに香水壜のラベルのデザインを依頼したのは、香水がそれだけの価値があったということだと思います。
でも何故ラベルだけ?と思われるかも知れませんが、当時の香水壜は殆ど何のデザインも無いシンプルなもので、ラベルだけで香水を区別していたようなのです。香水を買った人が自分の容器に移しかえて使ったようです。
ラリックはそのラベルをデザインするだけに飽き足らず、いっそのこと壜そのものをデザインしたら?と発想したのです。
こうしてラリックの香水壜が生まれ、同時にラリックのガラス工芸が始まったのです。

ルネ・ラリックのガラスの原点ともいえる香水壜のコレクションをご覧下さい。











いかがでしたか?これで全部ではないのですが、なかなか充実したコレクションですよね。
香りのビジューを封じ込めるガラスのビジューともいえる作品群、是非クリックして拡大画像でお楽しみ下さい。