2015年7月18日土曜日

14 juillet の花火 2015

4日前の『キャトルズ・ジュイェ』(7月14日、国祭、共和国としての建国記念日)は、恒例の花火大会に行かずに家で悶々としておりました。
Oは行かないと宣言していたし、私だけBettyをお供に連れて行こうかなとも思ったのですが、眠くて面倒になったので諦めたのです。しかし、いよいよあの爆音が聴こえ始めたら、もう居ても立ってもいられなくなり、バルコンに出てみたり書斎の窓を開けてみたり、いつものようにジタバタしたあげく、ついに何とか見える場所を発見しました。
目からウロコ、なんと畑に下りたらお隣の庭木と家の間の隙間から結構良く見えるではありませんか!
今まで何年も気付かずに、庭の反対側に行っては「見えない!」、道に出てみては「見えない!」を繰り返して馬鹿やっておりました。
音と光の速度差を実感しながら、暗い畑の通路に寝巻きのまま独り立ち、いじましく歓声をつぶやきつつ眺めたのでした。

先ほど受信したDailymotionからのメールに、14 juillet のエッフェル塔の花火の動画(完全版)が紹介されていて、早速見てみましたらこれが凄い!
私がウチの畑から見た近所の花火とはまるで比べ物にならない素晴らしさです。
昔、エッフェル塔の近くで仕事をしていた頃には何度か見ましたが、昔とは全然違ってハイテクを駆使した大スペクタクルになっていて驚きました。
パソコンのモニター画面では迫力ありませんが、まあどんなものかご覧下さいまし。

ぜひ全画面表示にてご覧ください。

2015年7月17日金曜日

コンピエーニュの森へ〈Ⅲ〉 コンピエーニュ宮殿-1-

日本も暑そうですね。日本は、ではなく日本も、です。こんな言葉を私が発する夏なんて初めてかも知れません。
前回の記事に書いたような7月初めのエジプト並みの熱波はさすがに数日で去り、その後もう夏は終った?ぐらいに一旦涼しくなりましたが、昨日から酷暑がぶり返しております。
今夕方5時頃ですが、日陰で33℃、きょうの最高気温は36℃だそうです。

また10日もブログをさぼってしまいました。ネタが溜まる一方です。
賞味期限が過ぎたような古いネタで恐縮なのですが、せっかく撮った写真を日の目も見ぬまま没にするのも何なので掲載しますね。
話は4月までさかのぼり、コンピエーニュ行の続きです。

コンピエーニュの森まで行って宮殿を見ない手は無いでしょう、というので子供達には悪いけど車内でお留守番してもらい、Oと私は国立ミュージアムになっているPalais de Compiègneを見学しました。
ルイ15世、16世時代には王家の秋の(狩猟シーズンの)離宮であったこの宮殿は、18世紀末ナポレオン一世により豪華絢爛な装飾が加えられマリー・ルイーズを皇后として迎えての居城になり、後にはナポレオン三世とユージェニーが彼等好みに改装し、大勢の招待客と共に定期的に長期滞在し狩猟や散歩を楽しんだり、いわば御用邸として使われたようです。
宮殿内は、二人の皇帝(ナポレオン一世とナポレオン三世)と皇后達の居室、第二帝政博物館、車と旅行博物館の三つの美術館に分かれていますが、車の美術館は期間限定で生憎閉まっている期間だったので二つだけ見学できました。
平日の午前中だったためか、パリからちょっと距離があるせいなのか、私達の見学中は他の見学者と遭うことも無く、ほとんど貸切状態で自由に撮影できたし、とても楽に静かに見て回れて良かったです。
きょうは皇帝と皇后の居室だけご紹介して、続きはまた次回に致します。

 宮殿の正面入口。建物の外観はルイ16世様式。アポロンの階段の踊場に立つアポロン像。

 家族のサロン(居間)。元はルイ16世の寝室。家具や調度類はルイ15世、16世、ナポレオン3世など多種の時代様式のものが置かれている。テーブルの上にバカラ1867年製のパンチボウルと揃いのトレーがあった。(プチ・パレのバカラ展に展示された品)

 皇帝の寝室。完全なEmpire(ナポレオン1世)様式のインテリアと家具。

 皇帝の図書室。ここも完全にEmpire様式。本棚を装った騙し絵で隠された皇后の居室への秘密の扉がある。
マーキュリーとアポロンに挟まれたミネルヴァの天井画。

皇后の居室の一つでユージェニー妃お気に入りの部屋。マリー・ルイーズ妃時代は音楽室として、ユージェニーは茶室として使った。家具はユージェニーが憧れていたマリー・アントワネットがサン・クルーの居室で使ったもの。

 皇后の寝室。まばゆいばかりに金ピカな典型的Empire様式。本来ナポレオンの最初の皇后ジョゼフィーヌの為に作られた寝室だが、離婚した為彼女がこの部屋で寝たことはなかったとか。

大サロン。または女官のサロン。ジョゼフィーヌの為に作られた部屋で、長椅子は彼女専用とされた。右端の天井は皇后の食堂のもの。部屋は小さく質素だが天井のレリーフが美しい。

 壁の花の絵により花の間と呼ばれたサロン。元は宮廷の遊戯室だったが、ナポレオン3世時代には王子ルイ・ナポレオン・ボナパルトの寝室として使われた。椅子類の布も花柄で綺麗。

 セーブル窯のティーセット。
1810年に結婚後初めてコンピエーニュで過ごすマルー・ルイーズ妃の為にセーヴルから送られたもの。

 セーヴル窯1808-1810年製の果物入れとデザート皿。ナポレオン1世とマリー・ルイーズ妃のために作られた160点のセットだったが、ほぼ全て失われた。辛うじて戻った展示の品4点は近年オークションで落札されたものとのこと。

 200年後に里帰りが叶った素晴しい花絵と金彩の逸品。

 狩猟のギャラリー。1735年頃にゴブランで織られた大きなタピスリーがいくつも掛けられている。
絵柄は常にナポレオンが主役。

 舞踏会のギャラリー。マリー・ルイーズを迎えるために作られた大広間。天井画はナポレオンの凱旋を表す絵。
ナポレオン3世時代には大勢の招待客と会食するための食堂として使われた。

大広間の両端の壁画は、Girodetによる神話のシーン。下にはシーザーのような格好のナポレオン像。


2015年7月4日土曜日

レストラン L'INITIAL パリ5区 で昼食を...

7月に入った途端、史上最高(私達的には)に暑いです!
1日にはなんと39.7℃まで上がり、これは2003年の2万人もの死亡者が出た猛暑の夏の記録を破り、1947年の40.4℃に次ぐパリでの史上2番目の最高気温だったとか。
夕方など家から一歩外に出ると、オーブンに入れられた鶏になったような気がします。
昔、ナイル川クルーズに行った時、停泊地のリュクソールの街で鳩料理を食べようと夕方船から下りた時の衝撃的な暑さ(確か40℃ぐらいだった)を思い出しました。
それでも朝は22~3℃ぐらいまで下がりますし、湿度が殆ど無いので意外にしのげております。

昨日はB&Bの予防注射の日で、歩いて数分の獣医さんの所に連れて行ったのですが、帰宅して玄関に入るなりBokuがヨロッとなってそのままヘタ~っと伏せて動かなくなり、焦りました。
冷房の効いた獣医の所に緊張しながら小一時間過ごした後に暑い外を数分歩いたせいなのか、注射のせいなのか?と心配しました。が、30分後にはケロッとして『お昼まだ?』と台所にへばりつく通常モードのBokuの姿に戻ったので安心しました。
なんて人騒がせな!と泣き笑いしましたが、あの子達もいい歳になっているのですから気を付けてあげないといけませんね。

Vague de chaleur (ヴァーグ・ド・シャラー)熱波?という聞き慣れない言葉が飛び交うこの猛暑に見舞われる少し前の話ですが、友人のお誘いでパリ5区のOPEN間もないレストラン『イニシアル』で昼食をしました。
今、パリのみならずフランス全国で日本人シェフのフレンチ・レストランが大評判です。ミシュランの星を獲得しているシェフも多数おられ、皆さん大活躍なのです。星が無くても、ミシュランのレストラン紹介記事上『日本人シェフ』が一つのステイタス的な意味合いで記載されている感さえあります。
ノートルダム大聖堂がセーヌ河を隔てて100メートル先というパリ5区カルチェ・ラタンの閑静な小路(故ミテラン大統領私邸のある路)にあるこのレストランも、二人のオーナー・シェフが日本人です。

友人から、ランチメニュー3皿が24€、4皿で36€と聞き、ビストロ的なカジュアルなお店を想像して行ったのですが、どうしてシックで立派な店構え、『え、ここなの?』と何度も番地やら看板やらを確かめちゃいました。

付いたばかりという看板が控えめに掲げられたお店のファサード。ゆったりと席が設けられた広い店内はシンプルなモダン・リュスティック。フロアーに段差があるのも楽しい。

4皿のランチ・メニューの前菜は蟹とラングスティーヌに蕪などの野菜が添えられたフレッシュな一品。
次の魚料理は平目で、とても美味しかったのですが写真を撮り忘れました。
鴨料理も食べやすく供され、焼き具合も良く、美味でした。

優しくホッとする味のデザート。オーナーシェフのFUJINUMA氏とNITTA氏。
お二人ともこの笑顔にお人柄が表れていると思いました。

お店のホームページの表紙。画像をクリックするとリンクします。

お料理はどれも非常に美味しく綺麗で、真心が感じられるお味でした。特にお魚が最高!フレンチの魚料理で満足したことは数えるほどしかないのですが、ここの平目は美味しかったです。
友人の言葉どおりの安くて美味しいレストランにまた1軒出会えました。
軽い赤ワインをと所望し、NITTA氏が薦めてくれたワインLes Beaux de Privenceの赤がまた頗る美味しく、しかも安く、4人で2本空けました。
満足、満足。 また食べに行こうと思います。