2016年10月30日日曜日

プチヴァカンス@ノルマンディー Vieux Port ヴュー・ポール1

10月も明日で終わりです。草木も色付き、枯葉舞う本格的な秋になりました。
栗ご飯も既に2回いただきましたし、我家の柚子もだいぶ黄色くなってまいりました。

夏の終わりのプチヴァカンスのリポートを綴り始めてから一月が過ぎましたが、未だ完結しません。
きょうから姉妹社の新着品UPの準備にかかりっきりになるので、また中断してしまいますが、
取りあえずきょうはノルマンディー編、初日分をリポートします。

ヴュー・ポール(旧港)という名前の小さな村にあるLa Bonne Auberge(良い宿)という屋号のchambre d'hôte(シャンブル・ドット=民宿、B&B)に泊まるのが今回の旅行の第二のメイン・テーマでした。
Booking.comで見つけたこの宿は、セーヌ河畔にあるショミエールと呼ばれる藁葺屋根の田舎家で、シャンブル・ドットとしては高い(地方の高級ホテル並み)けれど夢のようなセーヌ・ヴューの部屋の写真に惹かれて予約したのです。
お天気が悪かったので今一風景が綺麗に撮れていませんが、実際は本当に美しい所でした。

私達の部屋がある家。こんな家が広い斜面の庭に点在している。

河口に近いのでセーヌが海のように広く、水も海水が混じっているそう。
3つの窓がある階全体が私達の部屋。

庭からダイレクトに部屋に入れて一軒家を独占してる感じ。階下にも客室がある事に後で気付いた。

部屋の前の専用テラス。

リュスティックでアンティックな室内。大きなベッドは寝たまま景色が見られるようにとても高く設えられてあり、
チビの私は台がないと載れなかった。

期待通りのセーヌ・ヴュー。

部屋の入口。季節にはテラスが藤の花でいっぱいになるらしい。

大きな暖炉のあるコーナー。その向こうは浴室。
ウェルカム・ドリンクとして良く冷えたシードル1本が振舞われた。
ソファにピョンしていいのかな?と戸惑っているBoku。

翌朝、村を散歩してみる。ルート・デ・ショミエールと呼ばれるだけにセーヌ沿いの道には素敵な田舎家が並ぶ。
河に下りる小道の両側に教会と村役場(写真に写っていない)があるだけでお店一つ無い人口50人の静かな村だ。

宿の食堂がある家(2~3軒隔てた所)の庭からの眺め。ちょうどペニッシュが通っていた。
天気は更に悪くなっていて…。

洒落たレストランのような食堂。美しくセットされた朝食のテーブル。
この宿はリッチなカップル(男性二人)が趣味でやっているようだ、と思わせる拘りが随所に。

2016年10月26日水曜日

シャペル・ラリック (ノートルダム・ド・フィデリテ修道会礼拝堂)

プチ・ヴァカンス4日目の朝、OKB3(夫、私、Bokuの3人)はブルターニュを後にしてノルマンディーに向かいました。
次の宿泊地はオンフルールに近いセーヌ河畔の村なのですが、途中Caen(カーン)の傍のDouvres la Délivrande(ドゥーヴル・ラ・デリヴランド)という街にある修道院の中の、シャペル・ラリックを訪ねました。
ここは前々から是非行きたい所として頭の中にリストアップしていたスポットで、やっと今回の旅行のプランに組み込めて、楽しみにしていたのです。

天気が悪い上に、道路工事やら渋滞やらで予定より大分遅れ、漸くたどり着いたら午前の見学時間はちょうど終了、午後2時からいらっしゃいと窓口で言われガックリしましたが、海辺の方でお昼をして時間をつぶしました。
シーズンが終わったばかりのうら寂しい海岸で、夏だけ営業している海の家みたいな簡易レストランで簡単な食事を取り、少し悲しくなりましたが、サーヴィスのオネエサンの優しい笑顔に救われました。スマホの充電も快くしてくれたし。

本当にここなの?と疑わしくなるぐらい(言っちゃ悪いけど)貧相な外観の修道院に戻り、窓口で小銭(3ユーロだったか?)を払っていざシャペルへ。

   
中庭にあった不思議な木。木の洞に小さな聖母像が祀られていて。

建物の中に入ったらまた露地があり、突き当りに目指すシャペルの入り口が。

左は1831年から1931年まで使っていた(?)十字架。
修道会の100周年を記念してラリックにガラスの十字架の制作を依頼したのだそう。

ラリックならではの美しいキリストの十字架像と百合の花のデザインの障壁。

当初の依頼は十字架だけだったが、ラリックが祭壇周りの一連の装飾の改装を提案し、
材料費だけ修道会が持ち、制作費用はラリック社負担という条件で受け入れられた。
ラリックは製作費捻出のため(?)試作品を一式1930年のサロン・ドトンヌに出品した。


仕切りのパネル、フロア照明、吊りランプ、聖体入れの扉


百合のパネルのディテール


余ったパーツが展示されている。説明によると、パネルは4種あり、それぞれ
自在に組み合わせることができるようになっているとのこと。


信者の礼拝空間の壁に掲げられた14枚の漆絵による十字架の道行きから。
アリックス・エメという女流画家によって1948年に制作された。
この作品もまたアール・デコっぽく素晴らしかった。


修道会のホームページから拝借したシャペル内部全体の写真。

ルネ・ラリックは宗教心の厚い人間では決してなかったらしいのですが、60歳代から教会建築を手がけ、数件の作品を残しています。
そのどれもがラリック晩年の傑作といわれており、(写真で見る限りですが)独特のクールでありながら温かみの感じられる美しいものです。
今回やっと念願叶ってその傑作のひとつを間近に見ることができ、感動しました。
やはり凄いです、ルネ・ラリック。

2016年10月21日金曜日

プチヴァカンス@ブルターニュ Cancale カンカル3

「モン・サン・ミッシェルにも行ったし、サン・マロにも、グルアン岬にも行ったし、カンカルで3回も魚貝料理を堪能したし…もうやること全部やってしまったね」と言いながら、私達はホテルに帰ってノンビリと夕食までの時間を昼寝したり、本を読んだりして過ごしました。

このホテルMaison Tirel Guerinは、今では滅多に電車が止まらずに通過してしまう無人の駅(昔はメインの駅だったようで、古い立派な駅舎がモニュメント然と残っている)の駅前広場に面した大きな館です。
昔々はRestaurant de la Gare(駅前食堂)と呼ばれる類の単なるビストロ兼宿屋だったようですが、1936年(Tirelファミリーによってリニューアル)から現在まで段階的にアップグレードを続け、今では客室49、SPAあり、★付きレストランありの立派なホテル・レストランです。
裏庭には菜園もあり、横には広い庭に点在するヴァカンス用コッテージもありました。
お部屋(エグゼクティブ・ルーム)は広く、エアコン付き、バルコニー付きで快適なのですが、インテリアが垢抜けずWIFIも不調(嵐のせいとのことだったが…)で今一つでした。
海の近くでありながら周りに何の景色も無い田舎の街道筋というロケーションも残念。
決して悪くはないのですよ、私達が多くを望み過ぎる故に点が辛くなるというだけのことです。

お部屋でお昼寝中のボク、カメラに気付き目覚めてストレッチ

この日の晩餐。海老の前菜(殻は飾り)、お魚は平目。
この前にアペリティフのおつまみやアミューズも出たが、どうってことないので割愛。
ワインはサンセールのロゼ。

お肉料理は鳩。その後フロマージュ(写真無し)。ワインはボーヌ・プルミエ・クリュ(赤)。
デザートはコンフィチュール・ド・レ(ミルクジャム?)のお菓子、冷たいマシュマロ添え。

朝食会場にて。

個性的な天井画。ビュッフェは普通に充実。

朝食会場の反対側。客の入り具合によって、ここもレストランのダイニングとして使うようだ。

ホテルのファサード。写真に入らないけれど左側にも建物が続く。

ホテルのHPはこちらです。

2016年10月16日日曜日

プチヴァカンス@ブルターニュ Saint-Malo サン・マロ Cancale カンカル2

ブルターニュ三日目はサン・マロに行きました。
此処も4回目ぐらいかしら?最初に来たのは30年以上前、ミッチャンと一緒でシャトーブリアンが生まれた家とかいうホテルに泊まったのよね、などと懐かしみながら門をくぐりました。
12世紀に築かれたという城壁に囲まれ、カッチリと整然と建ち並ぶ堅牢な家々、迷路のような石畳の狭い道。
この出島のようなサン・マロの旧市街は全体に見事にグレーベージュで、石で出来た街という感じがします。
でも、冷たい感じはしなくて活気があり、洒落ていて、好きな街です。
16~17世紀にはコルセール(国王公認の海賊?)の活躍でフランス随一の港町として繁栄したという堅固な街も、第二次世界大戦で8割が破壊され、今見る姿は戦後に復元されたものらしいけれど、そんな感じは全然しません。
建造物の石材一つ一つに番号をふり、忠実に復元したのだとか。旧き良きものを残そうとするフランスの精神、凄いです。

城壁の中はほぼホコ天なので、車は壁の外の駐車場に。傍に古書市が出ていた。

城壁の内側。道に面した下の方には壁に嵌め込まれたようなレストランや店が連なる。

門の外側に頭だけ見えているのはシャトー。サン・マロの旗が揚がっている。

街並み。カテドラルの鐘楼。石畳と階段。突き当りの壁の向こうは海。

モンサンミッシェルのメール・プラールのブティックがここにも。綺麗に並んだガレットの缶。

石の街の中のオアシスのような緑地。 古井戸のある由緒ある家。私達が入ってきた門。

帰る前に再び城壁の外から一枚。
出島全体を遠景で撮りたかったけれど、或る場所に行かなければ無理のようだ。

出島と本土(?)の間にはヨットハーバーやドックが複雑にある。

ホテルからサン・マロはすぐ近くだったので、お昼にはまだ早い時間に終わってしまい、カンカルで食べることにしました。
それにしても早過ぎたので、カンカルの先のPointe de Grouin (グルアン岬)に行ってみました。
この岬の突端近くにある一軒宿に昔々長女(チャウチャウ)を連れて2~3泊し、釣りをしたりしてノンビリ過ごしたことがあり、懐かしかった…。

寂しくも美しくソヴァージュな景色。

遥か彼方に、小さくモン・サン・ミッシェルのシルエットが見える。
(写真クリックして拡大して見てください。)

前日によその人が食べているのを見て「あれ何?」と気になっていた『馬の足』と呼ばれる30年物(?)の巨大な天然平牡蠣。
シェフに明日是非食べてください、と言われていたので、同じ店にリピーターする。
一人1個ずつで十分の食べごたえがあり、大味かと思いきや頗る美味!

前日も食べて感動した鮑のフリカセをリピート。下に敷いているのは椎茸などの茸、殻に入っているのはポテトのピュレ。
昨日は牡蠣やラングスティーヌがメインでこの一品は半分っこだったけど、今日は贅沢に一人1個ずつ。美味しい~!

今回の旅行中最高の美味で忘れがたい鮑のフリカセを食べさせてくれたレストランは≪LE TROQUET≫ル・トロケ(ビストロとかカフェの意味)という何の変哲も無い、見た目だけなら私達は絶対入りそうにない店。
表に出してあるメニューを見て、鮑がある!テラスで食べていた人のラングスティーヌが大きい!それに時間も遅くなったし、雨も降ってきたから此処でいいか?ってな調子でたまたま入ったのですが、大当たりでした。
海の幸の店がズラリと並ぶカンカルの港ですが、ここのは新鮮で物が良く、デザートも美味しかったし。もしまたカンカルに行くことがあったら、絶対にまた行きたいレストランです。
サン・マロがすっかり霞んでしまったのでした。